再開発は民間の事業です。再開発ビルは21階建てのタワーマンションと5階建ての非住宅棟からなり、総工費177億円とのこと(資料は【こちら】)。市はその非住宅棟に「図書館を核とした複合公共施設」を整備することを含め、更に90億円超えの公共投資を行う予定です。内訳は補助金48億円(国が半額を補助)+公共施設整備費43〜48億円。
2024年2月29日の当初計画では総工費143億円、公共投資約80億円でしたが、資材高騰・人手不足・円安などの影響で、上記のように費用は上振れ、マンションは縮小(25階建て→21階建て)しました。資材高騰などの今後は見通せず、工費は更に上振れする可能性があります。
再開発ビルの主体がタワーマンションであることは明らかです。非住宅棟の工費は全体の数分の一に過ぎないでしょう。そこに総工費の半額を超える公共投資、というのは適正でしょうか。床の購入費は明示されていませんが、これは市から再開発事業者への追加の補助金の性格を持っています。また、床を購入すれば市には建物管理への責任が生じ、多額の維持費を払い続けることになります。ビルの経営や管理が危なくなれば大口確実な利用者として後始末を押しつけられるでしょう。
取手市は駅西口の区画整理事業に総額220億円(2024年度見込み)をつぎ込んできました。それも市が地権者の合意形成を怠ったため計画が二転三転し、移転補償費が膨らんだことが大きな原因です。その間「お金がない」事を理由に保育所の廃止、学校の廃止や統合、福祉予算の縮減を繰り返し、生活の基盤整備を後回しにしてきました。今もなお「公共施設の27%削減」が進行中で、明日にでもどこかの公共施設が閉鎖されるかも知れません。「お金がない」ことによる市民生活への悪影響は続いているのです(詳しくは【駅前開発 簡単な解説】参照)。
そんな状況下でこの「公共投資」は矛盾していませんか?。そもそも再開発ビルに床を買う必要があるのですか?。地権者に「買ってくれ」と言われたから買うのですか?(上記資料8ページ参照)。なぜ今、駅前に公共施設が必要なのですか?。取手図書館の改修は緊急の課題ですか、いつ緊急の課題になったのですか?。