取手駅西口A街区再開発事業は「停止」になりました

A街区再開発事業の停止について
取手市は、2月14日の議員全員協議会において、「A街区再開発事業」の「停止」を発表しました。少し前から「協力企業が撤退した」などの情報が流れていましたが、都市計画決定を前に一部の地権者が準備組合を脱退した事で停止が決定的になったようです。市が再開発ビルに「図書館を核とした複合公共施設を整備する」としたことが影響したとも聞こえてきます。資材高騰や人手不足など社会情勢の悪化もありましたが、結局、事業停止の遠因は、地権者の合意が得られていなかった事、つまり都市計画決定(再開発事業の前提となる)の「決定権者」である市が地権者の合意形成を怠った(地権者の意向を軽視した)まま計画を強行した事にある(註1)、と考えられます。
尤も現在の「A街区再開発事業」は「停止」にはなりましたが「中止」になった訳ではありません。市は、今回の停止で都市計画決定が「一年程度遅れる」が「図書館など複合公共施設整備計画」は堅持し検討を続ける、と、計画の続行をアピールしています。計画は全面的にやり直しが必要なのに「令和7年度の主要事業概要」にはその項目が見当たらず、一年程度の遅れでは済まないように思われますが、今後の帰趨、私たちの関心からすれば特に図書館の取り扱いとタワーマンションの建設計画について、注視を続ける必要があると考えています。
しかし、計画が一年遅れで済んだとしても、再開発区域は縮小、資材高騰のため建物規模も縮小、建物の供用開始は数年、悪くすれば10年先になります。その間、市が「老朽化している」と言う取手図書館はそのままにするのでしょうか?、タワーマンションは時宜を失していないでしょうか?。この際、現在の計画はいったん白紙に戻し、これからの取手市にふさわしい駅前を一(いち)から考え直して見てはどうでしょう。
取手駅西口の区画整理・再開発事業(合併施行)には220億円余りの税金が投入されています。これと桑原開発の出費のため、取手市には長い間「お金がない」状態が続き、福祉予算の縮減や基盤整備事業の先延ばしなど市民生活を圧迫してきました。A街区再開発事業に絡んでは、市が地権者の合意形成を怠ったため、補償費をはじめかなり余計な費用を使っています(註1)。市がこれ以上ムダな投資をしないようチェックが必要です。それは本来市議会の役割のはずですが、私たちが行った請願や要望に対する対応で、市議会と市教育委員会の、市に阿(おもね)ったかのような態度が浮き彫りになっています(註2)。取手市では、市議会による市政のチェックも、教育委員会による図書館行政も、機能していないのです。チェックには市民の力が必要です。
(註1)委細は【駅前開発 簡単な解説】の「これまでの経緯」をご参照下さい。
(註2)委細は【会発足からの主立った活動】の2024年5月24日〜7月5日および9月26日の記録をご参照下さい。
3.22市民集会について
私たちは、取手駅西口駅前は、取手市の玄関、「顔」であり、その再開発は必要であると考えています(註3)。今般のA街区再開発事業の停止を受けて、改めて、再開発のあり方を検討する必要があると考え、次の通り、市民集会を計画しました。集会には、A街区の地権者、市議、市関係者などの皆さんにも広くお声がけし、再開発について様々な立場から衆知を集められれば、と考えています。皆さんのご参加をお待ちしています。
(註3)【開発より生活重視で「持続可能」な取手市を】の冒頭部分をご参照下さい。
記:取手駅西口開発を考える3.22市民集会
日時:3月22日(土)、午前10時〜12時
場所:取手福祉会館 3階 講座室A
(資料代200円にご協力をお願いします)