市の公述意見の取扱いは不適切! 市議会へ「情報公開・公文書管理の改善を求める請願」を行うも、非公開の「ガイドライン」により不採択!

公聴会での公述意見に対する市の取り扱い
10月31日に行われた公聴会の席上で、「考える会」からの「公述した意見はどう取り扱うのか」という質問に対し、市は次のように回答しました:「録音記録をもとに要約し、報告文書としてまとめ、その後録音データは消去する」。
つまり、市民が、名前も顔も出し、市のためを思ってわざわざ公聴会に出向いて公述した意見は、「要約」と言う形でしか記録に残らないのです。要約には要約者の主観が入り、内容が変容することは常識です。これでは市による「ごまかし」の余地もあり得、市民の意見を軽んじていると言うほかありません。市議会への請願書は請願者名を含めてホームページに公開され、請願趣旨の口述は録画の上、動画として公開されます。公聴会での公述意見もまた市民が個人として責任を持って発言した意見です。請願との扱いの差は公平を欠きます。公述人の個人情報はともかく、少なくとも公述意見は一言一句記録として残されるべきでしょう。
公述意見の「要約」とそれに対する「市の見解」
現在、市のホームページには、公聴会における公述意見の「要旨」とそれに対する「市の見解」が公表されています(【こちら】)。その「要旨」は、公述意見の要約としてまちがっているとは言えないものの、力点が微妙にずれ、市の意見に好意的な表現になっています。また「市の見解」には公述意見とは論点のずれた議論もあり、はぐらかしとも見られます。
例えば、公述人5番は主にタワーマンション建設を批判していますが(公述原稿は【こちら】)、「市の見解」ではタワーマンション批判には触れず、あたかも「準備組合が決めたこと」と言わんばかりにスルーしています。公聴会に先立つ説明会で配布された資料には、タワーマンション建設を含む都市計画決定について「決定権者は取手市」と明記され、容積率を緩和するなど決定を主導しているにも関わらず、です(「要旨」・「市の見解」と【取手駅西口の都市計画原案に対する説明会・公聴会への対応】やそこにリンクしている公述原稿と比較対照して見て下さい)。
公述意見の全文が公開されていれば、このような操作疑惑が生じる余地は小さくなるはずです。
「情報公開・公文書管理の改善を求める請願」を行いましたが、不採択となりました
私たち「考える会」では、公聴会の席上での市の回答から、市の公述意見の取り扱いに問題を感じ、2024年11月21日、取手市議会に対し「情報公開・公文書管理の改善を求める請願書」を提出しました(請願書は【こちら】)。
同請願は常識的な要望と思われますが、同年12月9日、市議会・総務文教委員会に付託され、討論の結果不採択となり、本会議でも賛成5名の賛成少数で不採択となりました。
不採択の理由は非公開の「ガイドライン」の存在、そのガイドラインで情報公開条例を無効にできる?!
請願が不採択となった理由は、市には情報の取り扱いに関する非公開の「ガイドライン」があり、情報の取り扱いはそのガイドラインによって決まっているから、と言う事のようでした。
取手市は立派な「情報公開条例」を持っています。上述の通り、公聴会での公述意見は市民が「公的に述べた」意見であり、一言一句公開されて然るべきものです。しかし今の取手市では、その意見が「非公開の」つまり「部外秘の」ガイドラインにより勝手に「要約」されてしまうのです。そのガイドラインは取手市の「情報公開条例」と矛盾しないのでしょうか?、公的な審議を経て決定されたものなのでしょうか?、なぜ非公開なのでしょうか?。それは取手市が自ら制定した情報公開条例を陰で無効にし、公開すべき情報を隠蔽できることになりませんか?。それが「法治」なのでしょうか?。
そのような超法規的ガイドラインを振り回して天から恥じない取手市と取手市議会は一体何なのでしょうか。市も市ならば市議会も市議会、呆れたものだと思います。